せつない
どうにもこうにも、せつない。
けれど、昨日よりはちょっと客観的になっている。
人の死にすこし慣れてきてるのかもしれない。
というより、人の死の哀しみに囚われないようにしているというか。
初めて、近しい人を急に亡くしたのは、高校生の時。
親戚のお姉さんが出産して、亡くなった。
「耳は聞こえとるけん、話しかけてあげんしゃい」
と、言われても、声は出なかった。
高3の夏休みの終わりに、演劇部の顧問の先生が亡くなった。
理科の先生だった。服毒だったかと。お葬式には行かなかった。
きれいな顔だったってきいた。9月、ずっと雨だった。
先生のことはずっとずーっと消化できずに、ずい分長く囚われてた。
会社に入った頃かな。
Hideさんが死んじゃって、これはもうほんとに辛かった。
それほどに頼りにしていた存在だった。
33歳、同じ事務所で働いてた人が亡くなった。
通夜にもお葬式にも行ったけれど、最後まで顔が見れなかった。
立ち直るまでにどれだけ時間かかったかな。
認めるまで、たくさんの時間がかかったな。
みほちゃん、あいら、はるみさん、しろう、いでさん、まりこ、
ある日突然、人を失うってのは、どうしようもなく、辛い。
いつからか、それが、天命だったんだと、思うようになった。
助かる命ならば、助かっていたであろう、と。
でもなー、やっぱり、せつないよ。
人は、ある日突然いなくなったりする。
自分も明日何かの事故に巻き込まれるかもしれない。
せめて、
亡くなった人たちが、あらゆる苦しみから解き放たれ、安らかでありますように。
そして、遺された人たちが、哀しみ怒り苦しみを乗り越え、生きていけますように。